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最高裁判所第二小法廷 昭和28年(あ)5224号 判決 1955年11月11日

主文

本件上告を棄却する。

理由

被告人前田泰治の弁護人登坂良作、同佐藤堅治郎の上告趣意第一点は大審院判例違反をいうけれども、原判決は刑法二六〇条の建造物の意義に関し所論判例に毫も相反するところがないから論旨は理由がない。同第二点は控訴趣意として主張せられず、従て原判決が判断を示していない事項について第一審判決の違憲を主張するものであって適法な上告理由にあたらない。同第三点は事実誤認の主張であって刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。

弁護人鍛治利一、同登坂良作、同佐藤堅治郎の上告趣意第一点は違憲をいうが、その実質は単なる法令違反の主張に外ならないし、同第二点及び同第三点ともに単なる法令違反の主張であって、何れも刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。(所論自救行為に関する原判決の判断は正当である。)

被告人の上告趣意は違憲をいうが、実質は事実誤認の主張に帰し刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 栗山 茂 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎 裁判官 池田 克)

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